ゲーム周回している朝。ドアをガチャガチャ開けようとする音がした。
隣の方だろうと思い無視していたけど、どうやら自分のドアを誰かがガチャガチャやっているようだった。
「おお、怖」
居留守にしてればいなくなるだろう。よし、ゲームに集中だと素材集めに専念しようとしたら、今度はピンポンの音。
モニター画面を見たら、映っているのは知らない男。見るからにヤバそうだ。
「もしかして、隣の住人?……どうしよう。あっ」
男の顔をよく見たら、弟に似ている。いや、間違いなく本人だ。光の当たり具合で、ちょっと借金取r……悪人風に映っているだけだ。
ドアチェーンを外して出迎える。弟だった。実家に届いた自分宛の郵便物(JAFの冊子とか)を届けに来たらしい。
実家を離れる直前に渡した合鍵を使って入ろうとしたけど、ドアチェーンのせいで入れなかったようだ。
「ドアチェーン外しとけよ」
「あれ防犯のためにかけてたんだよ。ヤバい人が入ってきたらどうするのさ」
「いいじゃねぇか。ヤバいやつなら包丁持って戦えばいい。滅多にないチャンスだぞ」
それもそうだな。
その後、弟は、自分が連れてきた同居人(ネコのクッション2匹)をすんすん嗅いで「コイツらちょっと匂うぞ」と言い残して帰っていった。
お昼過ぎ。弟に臭いと言われた同居人たちの手入れをする。こいつらは洗濯機で洗えない体質だから、汚れたら布で拭いている。
水拭きで拭いていたら、水が濁った。わしの汗と皮脂が……(´。ω。`;)ウワァ
全身をまんべんなく拭いて、物干し台の上に寝かせた。
寝る前に回収。嗅いでみる。汚れが落ちた分、匂いも消えた気がする。あと、心なしかスッキリした表情をしていた。